11月の月

お人形達との日常を綴っています。球体関節人形やグラスアイが苦手な方は閲覧にご注意ください。

自鳴琴を響かせて

オルゴールの話です。

お人形の写真もありますが!

 

少し前、京都へ行きました。あてもなく嵐山に行き、たまたまオルゴール博物館に入ったのですが、予想以上にエンジョイしてしまいました。外観を撮り忘れたのが悔やまれるくらい。

解説のおじ様がまた素敵な方で、実演しつつ興味深いお話を聞かせてくださいました。

 

オルゴールは、懐中時計の仕掛けとして音を鳴らせないか、というところから誕生したそうです。

上の写真は、オルゴールつきのシーリングスタンプの展示です。こんなものが作られていたとは……!

正直今でもあったら欲しい。浪漫の塊だと思います。

 

懐中時計やシーリングスタンプなど、はじめは小さな物に仕込まれることが多かったオルゴールですが、それがだんだん発展して、大型の、曲を演奏するためのオルゴールとなっていきました。

こちらはおなじみ、筒がクルクル回るタイプのものですね。

ここまで大きいと音数も多く、一般的に思い浮かぶオルゴールの音色よりも迫力のあるものでした。

オルゴールの競合相手は蓄音機だったそうです。言われてみれば納得。しかし当時はまだ録音の機能が発展途上だったこともあり、負けずに戦えていたんだとか。

これだけ大きく華やかなオルゴールなら、人々が魅了されるのも分かる気がします。

 

こちらはディスクオルゴールです。突起のついた円盤が中に入っていて、それが回って音を鳴らす仕組みですね。

オルゴール内部の機構もそうですが、調度品としても非常に細かな細工がなされていて、まさに貴族の嗜みという雰囲気でした。

古いものなので演奏中に意図せぬ音が入るのですが、それがまたいい味を出しています。

正直家に置きたくなりました。お金も場所もないけど!

 

そして予想外に嬉しかったこと。

自動人形(オートマタ)の展示もあったのです!

一番かわいかった子です。歌う人形、らしい。

ふっくらした頬がいいですね〜!

髪は人毛やモヘアが多かったそうです。昔から使われていたんですね。

ドレスの装飾とか見ているだけで楽しい。

 

こちらは小さい子が見たらトラウマになりそうな、道化師とお月様の自動人形。

こういう、ちょっと怖い(?)お人形も楽しく見られるのは、うちにいる子達のおかげだなぁと思います。お人形全般に対する興味が高まりました。

グラスアイが美しくて惚れ惚れしてしまいました。月の目はとても大きいし、道化師は細かい。

こちらは実演していただいたのですが、音を奏でながら、まぶたが動いたり道化師が舌を出したり。またその動きの自然なこと!

道化師が月に歌う、というのはよく見られるモチーフらしいです。日本語で言うと「高嶺の花」ということ。見ていると、月は道化師に目線を向けることはなくて、よく作られているな〜と感心しました。

 

そんなこんなで、オルゴール観が大きく変わる経験でした。

ぜひ嵐山に行かれる際には訪れていただきたいです。

 

記念に、ディスクオルゴールを模したオルゴールをお土産で買いました。

1/6サイズの子ならちょうどいい大きさかな?と思い、つーさん(火曜子poppy)と並べてみましたが、ちょっと小さいかな。

でもお人形用の調度品としては中々おしゃれだと思います。

 

ネジを巻くと、ディスク部分がくるくると回転しながら、カノンが奏でられます。

引き出しもちゃんと開けられるという、細かい作り。

いい思い出の品になりました。

つーさんも音色に聴き入っているのかもしれません。